学長メッセージ
新たな歴史をここから
本学は令和7年度4月1日より、男女共学化し、名古屋女子大学から名古屋葵大学へと名称を変更します。男女共同参画が進み、性別に関わらず個人が活躍する社会現状を踏まえての決断です。初代学長・越原春子先生が学園を誕生させた東区葵町の「葵」の文字をとり、変化の激しいこの時代に、今一度原点に立ち返るという意味を込めています。
また、葵は太陽に向かってまっすぐ伸びる茎をもち、上へ上へと花をつける植物です。ここを新たな出発点とし、葵のように力強く前進していきます。
私は製薬会社エーザイにて、世界初のアルツハイマー病治療薬アリセプトを開発し、その後も京都で研究を続けてきました。その京都で有名な三大祭のひとつに、六世紀より営々と続く葵祭があります。名古屋葵大学にも含まれるこの「葵」の文字は、京都の地で長年研究に励む私にとっても思い入れ深く、長年に渡り受け継がれてきた伝統を重んじ、引き継いでいくことの重要性を再認識させられるとともに、これまでの名古屋女子大学として積み上げてきた伝統を大切にしながらも、ここから新たな歴史を積み上げていくのだという決意を新たにしています。
一方で、状況が急激に変化していく現代の社会においては、変化に柔軟に対応をしていく姿勢が求められます。
本学では、時代の変化とともに、社会情勢を踏まえた学部編成の見直しを行ってきました。学生の皆さんは、それぞれの学部において知識と変化に対応する力を身に付け、それを社会に還元してほしいと思います。教育の目的は、世のため人のためになる人間を育て、学生が人生に希望をもって生きられるようにすることであり、身に付けた知識や力をもって社会貢献することこそが、創立当時から続く、本学の学園訓「親切」の本質であると考えます。
また大学は教育機関であると同時に、研究成果を社会に還元する役割を担っていますが、本学も地域社会との関わりや産業界との連携の中で「親切」を体現し、社会に貢献していきます。