看護学科

2019年 10月号

看護学科のリアル(1)
看護学科1年生はこんな授業を受けています

看護学科では、看護師をめざす学生たちが日々授業や演習に励んでいます。では、実際のところ、看護師になるための授業にはどのようなものがあるのでしょうか? 今、看護学科1年生が受けている授業の一部を見学してきました!

看護学科1年生の授業をのぞいてみよう

人の体を知り尽くす!「人体構造・人体機能学Ⅰ/Ⅱ」

人の体について知ることは、病気が発症するメカニズムや病気の治療法を学ぶ上での基礎知識となります。1年間を通して「人体構造・人体機能学Ⅰ/Ⅱ」という授業を受け、看護関連科目の基礎となる、人体の正常な構造と機能を学修します。
「人体構造・人体機能学Ⅰ」では、細胞の機能と構造、皮膚などの組織、骨や筋肉、神経系や脳について理解を深めていきます。骨や筋、脳などの模型や、バーチャル解剖学として「Visible Body」を用いた講義・演習を行います。また、「人体構造・人体機能学Ⅱ」では心臓と血管についてや、内臓学、発生学を学修します。さらに、人体解剖を見学し、生命の尊厳や医療における倫理について理解を深めます。
今回見学した授業は、個体発生の回。1つの卵子が受精してから分裂を繰り返し、だんだん体が作られていく過程について、「国家試験によく出ること」を中心に、わかりやすい動画やイラストを使った説明がありました。
1回の授業見学だけでも、覚えることが多くて大変そう…と体感。毎回の小テストやレポート課題もあり、予習復習が欠かせない授業ですが、学生たちは一生懸命がんばっています!

この授業を担当している先生

健康科学部 学部長
久保金弥先生

咀嚼(噛むこと)と脳、特に認知症、肥満、ストレスとの関連を研究しています。歯科医師としてクリニックや歯科医院、総合病院に勤務した経験があり、医療機関の勤務経験をもとに疾患の症状や成り立ちについての話をします。

看護学科 講師
長谷川洋子先生

総合病院や企業の保健管理センターでの看護師・保健師としての実務経験をもとに、体のしくみについて話します。病気のヒトを知るため体の構造と機能を勉強していきましょう。

社会医療システムや看護職者に係る法律を広く学ぶ「医療関係法」

私たちの健康を守るために、ライフサイクルのそれぞれの時期に、都道府県(保健所)、市町村(保健センター)、医療機関等からの支援があります。例えば妊娠中は市町村から母子手帳を発行してもらい、赤ちゃんが生まれたら医療機関や市町村での乳児健診を受けて…など。そしてそれらの支援については、いろいろな法によって定められています。
看護師や保健師として仕事を進めていく中では、そういった社会医療システムに関する法を知り、適切な機関と連携をとっていく必要があります。
「医療関係法」の授業では、保健衛生法や労働基準法、保健師助産師看護師法などの法について、何を目的とした法なのか、どんな経緯でできたのかといったことを学びます。見学した回では、「保健衛生法」について取り上げており、地域保健法・健康増進法・精神保健福祉法・母子保健法・学校保健法について、成り立ちや目的を学びました。「法」ということで、いかにも難しそうだと身構えてしまっていましたが、ポイントがぎゅっと絞られているので、90分間、興味を持って集中して授業を受けることができました! ただ、聞きなれない専門用語がたくさん出てくるため、理解のためには予習・復習が不可欠。一回の授業でどんどん進む、スピード感のある授業でした。

この授業を担当している先生

看護学科 准教授
山田裕子先生

大学病院公衆衛生看護科において保健師として勤務していたことから、公衆衛生看護の実務経験をもとに保健衛生を中心とした話をします。

看護学科 准教授
福田峰子先生

老年看護学の担当をしており、老老介護や認知症のある高齢者を介護している家族支援などに関連した研究をしています。この講義では、大学病院での看護師としての実務経験をもとに、人びとの健康をまもる医療従事者・看護職者の役割・機能に関連する法律を中心に話します。その中でも、高度医療が進む中で果たすべき看護師の業務・義務ついて理解を深められるように学修を深めていきましょう。