地域に愛される
看護学科をめざして
「名女健康サロン」開催
現代社会では、大学には研究や教育だけでなく、地域貢献が求められています。地域貢献の一環として、本学看護学科では5回にわたり「名女健康サロン ~人生100年時代に向けて 生き活き健活講座~」を開催し、地域の方々をまねいて、看護学科教員による講義を行いました。講義終了後は、看護学科1年生と受講者の方々とでお茶菓子を囲みながら交流を行いました。学生にとっては”相手を知る”コミュニケーション技術を学ぶ機会ともなりました。今回はその様子をご紹介します!
「名女健康サロン ~人生100年時代に向けて 生き活き健活講座~」
6月15日開催「こころの健康」 新井信之教授
ストレス社会・超高齢社会といわれている現在の生活では、誰もがストレスを抱えています。上手にストレスに対処していくことが「こころの健康」を保つ上で重要です。そこでこの講座では、ストレスの理解とストレス反応を解消するための具体的な行動(ストレスマネジメント)を紹介しました。
また、「こころの病(精神疾患)」の早期発見と早期治療の大切さと、「こころの病(精神疾患)」についての正しい理解(リスクマネジメント)の大切さについて、精神疾患についての歴史と病気の原因の説明を加えながら紹介しました。
受講者の方々は、早々にストレス自己チェックに取り組んでくださいました。
6月22日開催「睡眠とメタボ」 山田裕子准教授
健康づくりの3本柱(栄養・運動・休養)のうち、栄養・運動では人々の生活改善がみられます。一方、日本人の睡眠は世界一少なく、休養に対する意識改革が必要です。睡眠の問題は何年もかけて身体に影響し、特に肥満・高血圧・糖尿病などの生活習慣病のリスクにつながることから、この講座では、体内時計のメカニズム、良質な睡眠と生活リズムの工夫、睡眠と生活習慣病予防など、健康づくりに役立つお話をしました。
さらに、大学生の頃の睡眠の問題と20年後のうつ病の発症リスクや、幼少期の睡眠不足と10年後の肥満などの研究報告も紹介しました。
受講者の方々が、生活リズムを意識し、自分なりの生活習慣を工夫する一歩につながることを期待しています。
6月29日「頭の体操で認知症予防」 福田峰子准教授
わが国では認知症高齢者が急増しています。厚生労働省は、2019年6月に認知症の発症を遅らせることをねらいとして「認知症施策推進大網」を発表しました。
有酸素運動、知的活動(頭を使うこと)、バランスのとれた食事、質の良い睡眠、他者との交流などが認知症の発症リスクを下げると言われています。
そこでこの講座では、頭と身体を同時に動かす「コグニサイズ運動」、脳の血流を良くする指体操、脳活のためのクイズ・アプリ等を紹介し、実際に簡単なコグニサイズ、指体操をしていただきました。
受講者の方々には、講座で紹介したものを1つでも生活に取り入れて認知症予防につなげ、元気で健やかな生活をめざしていただきたいと思います。
7月6日「歯と健康」 久保金弥教授
近年、よく噛むことで、糖尿病や肥満、認知症が予防でき、またストレスを緩和することも可能であると明らかになってきました。この講座では、食前にガムを噛むことがダイエットにつながることや、よく噛むことで記憶力が向上することをご紹介。特に高齢者では、よく噛むことで記憶に関与する前頭前野が活性化されることなどの実験データを映像で紹介しました。
また、ストレス下でガムを噛むとストレス反応が緩和されることもお話ししました。日頃から“よく噛むこと”を意識していただき、健康な「脳」「心」「体」をつくってください。
7月13日「認知症サポーター養成講座」 瑞穂区東部いきいき支援センター
この回は、瑞穂区東部いきいき支援センター職員の方による「認知症サポーター養成講座」を行いました。認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けするのが「認知症サポーター」です。認知症になっても安心して暮らせるまちづくりのために、認知症サポータ-を養成し、認知症の人やその家族を支える仕組みを整備する活動が全国で進められています。
講座では、認知症の症状とその対応方法などの説明があり、受講後には受講の証であるオレンジリングが渡されました。今後、受講者の方々は認知症サポーターとして、地域の中で認知症の方を見守り、支える活動を行っていきます。
参加した学生の声
健康科学部 看護学科1年
伊東 志栞 さん
今まで、夜中まで起きていることが多くあったので、生活リズムを改めて考え直したいと思いました。また、朝、日光を浴びると体内時計がリセットされること、たんぱく質を摂取すると良いことを学びました。
健康科学部 看護学科1年
堀江 希来々 さん
睡眠はただの休息だと思っていましたが、睡眠による身体への影響や、睡眠障害が将来の体型や病気に影響することを知ることができました。将来看護師になった際には、患者さんに睡眠の大切さを伝えたいと思います。
健康科学部 看護学科1年
長谷 蘭 さん
十分な睡眠をとることは、身体のすべてにつながっていくと知り、睡眠をしっかりととることがとても大切であるとわかりました。気持ちよい目覚めのために自分の生活を一度見直し、健康的な生活を送りたいと思います。
健康科学部 看護学科1年
犬塚 瑞稀 さん
今の私の年齢からでも、運動をしたり、頭を使ったりする習慣を持つことで、将来少しは認知症予防に役立ちそうです。認知症になってからの治療は大変なので、予防のために簡単なことをコツコツやるのが大切だと感じました。
健康科学部 看護学科1年
近藤 安香 さん
私の祖父母は90歳を超えています。2人とも健康で、まだ認知症の症状もそれほど現れていませんが、それはとても恵まれているのだと感じました。この講義で学んだことを、祖父母、また両親へ教えて、一緒に認知症予防をしていきたいと思います。
健康科学部 看護学科1年
伊藤 世奈 さん
高齢の方が「噛むこと」を意識することで、認知症の予防に繋がると学んだので、実際に実習や臨床の現場に出た際には、「噛むこと」の利点、大切さを伝えられる看護師になりたいと思いました。